自分が現在行っている事業では、「AIの活用普及」を一つのテーマとしている。
AIをメインの武器としていこうとしている以上、AIに関する理解を深めることは当然必要だ。
そこで、ひとまずAIに関するリテラシーを底上げするために、7月に「G検定」を受験した。
半ば思いつきでの受験だったため申し込みから受験当日までは10日しかなかったが、無事に合格できたので、今回はその日々を振り返りながら、試験の概要や私の学習方法などについてまとめてみたい。
G検定とは
G検定とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する検定試験である。JDLAは「AI・ディープラーニングの活⽤リテラシー習得のための検定試験」と紹介している。
技術そのものだけでなく、AIを活用するための基礎知識やビジネスへの応用についても幅広く問われるため、AIを開発する技術者に限らず、AIを業務や事業に活用したい人を対象とした検定である。
具体的には、AI・ディープラーニングに関する基礎知識や歴史、機械学習などの主要な技術の構造、画像認識や文章生成などのAIの活用方法に加え、AIを利用する上で把握が必須となる倫理・法律・個人情報保護などが対象範囲となっている。
試験概要
G検定は、自宅で受験できるオンライン試験と指定の会場で受験する会場試験の二つがある。
概要は次のとおり。
| オンライン試験 | 会場試験 | |
| 試験日 | 毎年6回(1月、3月、5月、7月、9月、11月) | 年3回 ※時期は公式サイト参照 |
| 会場 | 自宅 | 全国で登録されたテストセンター |
| 試験時間 | 100分 | 120分 |
| 費用 | 一般:13,200円(税込) 学生:5,500円(税込) | 同左 |
オンライン試験の方が試験の開催回数が多く、自宅で試験を済ませることができるようになるのでおすすめだ。
また、個人のオンライン試験の場合のみ、過去受験日から2年以内は半額で再受験することができる。
試験はCBT方式
試験はCBT方式だ。
PCで受験専用サイトにアクセスし、制限時間以内に多肢選択式の問題を解いていく、といったものとなる。
申し込みの流れ
ここではオンライン試験を前提として、申し込みから受験までの流れについてまとめたい。
G検定を受ける場合のおおまかな流れとしては、
- 受験者専用サイトに登録する
- チケットを購入して試験日を予約する
- 当日に自宅で受験する
- (後日、メールで結果通知)
といったかたちだ。
1. 受験用サイトに登録
まずは「G検定 ジェネラリスト検定 受験サイト」に登録することから始まる。
登録にはメールアドレスとパスワードが必要となる。
なお、オンライン試験と会場試験で登録すべき受験者専用サイトが異なるため、注意してほしい。
ログインすると、以下のようにマイページにアクセスすることができる。
このページから、チケット購入や試験日の予約、受験などの全ての手続きに進むことができるようになっている。

2. チケット購入
次に、受験するためのチケットを購入する。
チケットの購入は、マイページの右上のボタンから進むことができる。
氏名、メールアドレス、電話番号、住所、申込種別(一般 / 学生)、決済方法などを入力・選択して購入する。
決済方法としては、クレジットカード払いかコンビニ払いが選択できる。

チケットを購入すると、登録したメールに受験チケットコードが送付される。
3. 試験日予約
チケットの有効期限は1年間となっているため、期限内に試験日の申し込みを済ませる必要がある。
試験日の予約についても、マイページの右上のボタンから予約ページに遷移することができる。
遷移先の「G検定 ジェネラリスト検定 受験日程予約サイト」の中段に「受験を予約する」というエリアがあるので、受験者専用サイトで登録しているログイン情報を入力して申し込みに進み、受験したい日時の試験に申し込む。


購入したチケットのコードはここで入力することになる。
申し込み画面では、その日時点で申し込みが可能な試験が選択できるようになっているので、自分が受けたい日程を選択して申し込もう。
あとは試験に備えて学習を進めるのみだ。
学習方法
G検定の学習について、実際に私が行った方法を載せておきたい。
テキスト購入(学習開始)から試験当日までは10日だった。1日の学習時間は平均して3時間程度だと思うので、学習に費やした時間はざっくり30時間ほどだろうか。
要領のいい方はもっと短時間で攻略してしまうと思うが、「ゆっくり学習してもこれくらいのボリューム感で合格できたよ」と思っていただけると幸いだ。
使用したテキスト
私が試験勉強用に使用したのは、次の2冊である。これらがあれば申し分なく対策できる。
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト 第3版

1冊目はこちらの公式テキストだ。
G検定の主催者であるJDLAが監修しており、内容としても図が多めで比較的読みやすいと感じた。
また、章末に問題集が設けられている。これを使ってテーマごとの内容を復習することで、知識の定着を図ることができた。
最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 問題集 第2版

2冊目はこちらの問題集である。
G検定対策としてはスタンダードな問題集だと思われる。400ページを超える本で、問題と解説が同じくらいのボリュームで盛り込まれている。解説には図解や背景知識の紹介などが盛り込まれており、丁寧に作成されているという印象だった。
この問題集によって、テキストだけでは補えなかった知識や理解を強化できたと思う。
具体的な私の学習方法
とりあえず公式テキストを読む
私はまず上記の公式テキストを精読することから始めた。
ノートは使わず、とりあえず読んで書いてあることを理解する。分からないことや気になった周辺知識については調べる、といった具合だ。
当時の日記を読み返してみると、公式テキストを購入してから読み終えるまでが4〜5日ほどだったようだ。
公式テキストの章末問題で復習
一旦公式テキストを読み終えたら、復習のために章末問題を解いていった。ここからはノートを使用した。
「人工知能とは」などの章はAI研究の歴史に関する内容なので比較的覚えやすいのだが、「ディープラーニングの概要」や「ディープラーニングの要素技術」、「ディープラーニングの応用例」については、モデルのアーキテクチャや各モデルがどういった特徴を持っているかなどを網羅するように覚える必要があり、苦労した。
特にディープラーニングの応用例では、「画像認識」や「物体検出」などの具体的なタスクごとにモデルや手法が多数登場する。例えば画像認識であれば、LeNet、AlexNet、ResNet、SENet、EfficientNetなどで、物体検出であれば、R-CNN、Faster R-CNN、YOLO、SSDなど、といった具合である。
このように、キーワードがそれぞれ似たようなアルファベットの呼び名になっているので、「どのタスクのモデルだっけ?」「どっちが後発なんだっけ?」と混乱することが多かった。
解いてみて、分からなければテキストの解説を読んだりChatGPTに訊いてみる、といったかたちで学習を進めた。
章末問題については2周ほど解いたかと思う。
問題集でさらに知識を定着させる
公式テキストでの学習を終え、概ね理解できたかなという状態で、問題集に着手した。
こちらは公式テキストの問題より若干難しいと感じた。ボリュームもあるため、まとまった時間を確保して集中的に取り組んだ。
また、公式テキストでは触れられておらず、完全に初見だという問題もあった。G検定がカバーする分野(つまりAI)自体、動向が目まぐるしく、公式テキストにも「AIに関する情報はちゃんとキャッチアップしようね」といった趣旨が書いてあったため、こういう問題に遭遇した時は「まぁそういうものか」と納得しながら学習を進めていた。
結果として、問題集も2周ほど行ったと思う。
苦手分野はノートにまとめる
試験を目前にしたタイミングで、どうしても覚えづらい内容をノートに書き殴ることで頭に詰め込んだ。
特に私がまとめた内容は、「ディープラーニングの応用例」の分野だ。前述のとおり、ここには様々なモデルや手法がキーワードとして出てくるため、これらを表やマインドマップとして書き起こした。
この作業によって該当範囲を改めて網羅しつつ、それぞれのキーワードの関係性が体系立てられた地図が頭の中に出来上がるため、おすすめの方法だ。

試験当日
そして試験当日。
私が受けた試験の日程では、試験開始が午後1時だったため、午前中は最後の復習に充てることができた。
試験は、前述の受験者専用サイトのマイページにある「受験する」から受けることができる。
ログインなどは早めに済ませて、10分前頃には受験開始画面で待機するのがよいだろう。
定刻になると、試験開始を押してスタートさせることができる。
自宅での受験であっても、ほどよい試験の緊張感を味わうことができた。
試験について
実際の試験システムについては、次のとおりだった。
- 残り時間が分かるようにカウントダウンが表示されている
- 問題にはチェックをつける機能がある。飛ばした問題や自信のない問題を見返すのに活用できる
- 問題の一覧画面がある。各問題の回答状況を確認することができるため、問題の解き忘れを防ぐことができる
特にチェック機能は便利だったので、皆さんもぜひ活用してもらいたい。
試験を受けた感想
個人的な感想だが、試験は問題集よりは簡単だったと感じた。
試験問題は145問ほどあるため1問にかけられる時間は40秒程度なのだが、パパッと解けた問題が多く、注意深く解いても20分ほど時間が余った。
余った時間は、不安な問題の見直しなどに充てることができた。
また、AIの法律と倫理に関する問題が多数出題されたと感じた。
公式テキストで取り扱われている分量より、明らかに配分が多かった。それだけ、倫理面や最近の法規制の整備状況についてアンテナを高くしておいてほしい、ということなのかもしれない。
合格通知
試験から17日後、登録したメールアドレス宛に合格通知が無事届いた。
私が受験した「G2026#4 オンライン試験」の受験状況は次のとおりらしい。
- 受験者数 9,241名
- 合格者数 7,677名
合格率は約83%である。これはITパスポートや基本情報技術者試験などの合格率よりも断然高い。
受験者を振り落とす資格、というわけではなく、試験対策を行えばちゃんと合格できる資格だと言えると思う。
なお、G検定に合格すると、オープンバッジの発行や合格者コミュニティの「CDLE(Community of Deep Learning Evangelists)」への招待も受けられる。
CDLEでは、SlackをベースにしたAIに関する情報交換や交流会の開催などが行われている。実は私がG検定を受験しようとしたきっかけの一つが、このCDLEの存在だ。G検定に無事受かったけどAIについては引き続き情報収集したいという方は、こういったコミュニティに参加するとよいかもしれない。
まとめ
G検定は比較的合格しやすい資格ではあるものの、資格で取り扱う範囲はAIに関する知識基盤として十分有効な内容だと感じた。
例えば、LLMの仕組みについて理解していると、日々使用するChatGPTやGeminiについて、裏側でどういう処理が走っているのかを少し想像できるようになる。あるいはCNNやTransformerなどの基本概念について理解していることで、「もしかしたらこういうことができるかも」というアイディアが思い浮かぶようになる。
自分の中のアンテナが、一段アップデートされる感覚だ。
このように、G検定を通した学習で得られた知識は、会社などのビジネスシーンに限らず、今後の人生で幅広く使えると思う。興味を持ったら、ぜひ資格取得に挑戦してみてほしい。


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